ある日、親側H氏から電話が入りました。「都内に住んでいますので、一度お話を伺いたい」とのことで、夫婦で永田町のオフィスを訪ねてくださいました。穏やかな表情のH氏夫妻には既に2人の娘さんがいらっしゃいましたが、長女とは疎遠になり、次女とは遠く離れて暮らしているとのこと。老後、近くで自分たちを気遣ってくれる家族が欲しいという切実な思いを語ってくださいました。特に、先祖代々のお墓を守ってほしい、家の名前を継いでほしいという強い願いがあったそうです。夫妻は、実の娘2人にはすでに財産分与を済ませており、これから養子を迎える方には「近くに住んでくれることが理想だが、月に1回食事やお茶を楽しむ程度の程よい距離感でいい」と具体的な希望をお話しくださいました。その後、約2年の間に5名の候補者を紹介しました。なかなか条件に合う方が見つからず時間がかかりましたが、ついに子側U氏とH氏夫妻の間に運命的な縁が生まれました。U氏は救急看護師として働いており、その誠実な人柄にH氏夫妻はすっかり惹かれていました。特に医療の知識を持つ彼がそばにいてくれるという安心感は、夫妻にとって何よりも大きな支えとなったようです。H氏夫妻とU氏は、すぐに親子のような関係を築きました。休日には一緒にお茶を飲みながらテレビドラマについて楽しく語り合うことも増え、互いに自然体で向き合う時間が増えました。U氏自身も「このような喜びがあるなんて、思いもしませんでした」と感慨深く語ってくれました。それから数年が経ちましたが、誰が見てもH氏夫妻とU氏は実の親子としか思えないほどの絆で結ばれています。笑顔が絶えない彼らの姿を見ると、家族の形が時間とともに深まり、温かい関係へと変化していくのを感じます。このような出会いをお手伝いできたことを心から嬉しく思います。